
ファントムでは、前後に二人が乗り込む「
タンデム」(バイクの二人乗りでも聞く言葉ですね)を採用しています。(ちなみに、左右に隣り合って乗り込むスタイルを「
サイド・バイ・サイド」と言います。A-6“イントルーダー”なんかが採用しています)

で、見れば展示されているファントムの前に行列が・・・。
「何事?」と思い列の先頭をみると、
一般客がコックピットに乗り込んでいるではありませんか。
ええー、マジで!? コックピットに乗れるの?もうこんなチャンス滅多に無いですからね。即座に列に並びました。
タラップ(飛行機に乗り込むための階段)の上には、パイロットさんともう1人の自衛官さんがいて、搭乗者の質問に答えたり、求めに応じて写真を撮ったりしていました。
しかし喜び勇んで列に加わったものの、なかなか前に進めません。
そりゃ当然ですわな。
前部座席しか開放していないので、1度に相手できるのはたったの1人。
立ちっぱなしで待っているので、足が疲れてきます。
こんなに並んだのは、
小3の時にディズニーランドでビッグサンダー・マウンテンを待った時以来ですよ。
いや、それ以降、上海の南翔饅頭店や神戸の老祥記の順番待ちを経験済みか。
とにかく、「夢だったパイロット気分が味わえる」という期待を支えにしたり、「コックピットに乗り込んだら何を訊こう?」とか考えながら、2時間ばかり待ちました。
南国沖縄とは言え、この日は北からの強風。風通しの良い空港敷地内ですから遮蔽物も無く、吹き晒される形になります。
寒風耐え忍び、やっと自分の番が来ました。
「あー、何から訊こう?」と、頭の中はパニック状態になり、ドキドキしながら乗り込みます。
「あ、あのー、どこに足を乗せたらいいですか?」
「座席で構わないですよ。」シートを取っ掛かりにして着席。
座った瞬間、全身に物凄い
恍惚感が。
ビッグサンダー・マウンテンの数百倍面白いよ、これ。「ラ、ラダー・ペダル(※1)はどこですか?」
「足元のここです。」あたふたしながら、ペダルに足を付けました。
目の前には、何なのかは分からないけど、計器類がずらり。
「水平儀(※2)はどれですか?」
「これです。」計器類の真ん中に、ひときわ目立つ大きな円状のパーツが。
「ハッド(HUD ※3)は?」
「ここです。今はカバーをかけていますが。」眼前には、縦横15センチほどのモニターが。想像していたより小さいです。
「どんな情報が表示されるんですか? ロール角とかピッチ角(※4)とか・・・」
「そうですね。それに高度や速度」「あとはミサイルシーカー(※5)やバルカン砲の標準なんかも・・・」
「そうです。」物騒な質問をしてしまったかも。
「それをこの操縦桿でコントロールするんですね?」
「そうです。」「これがミサイルやバルカン砲の発射ボタンですか? で、これがスロットル・レバー。アフター・バーナーやエア・ブレーキの操作はこれで行うと・・・(※6)」
「そうです。」「フライ・バイ・ワイヤ(※7)は?」
「採用されてないですね。」「タンデムになっているのは意味があるんですか? F−14みたいに、前が操縦・後がレーダーや火器管制みたいな・・・」
「その通りです。」興奮して我を忘れてしまいましたが、色々と訊くことができました。一般の人からしたら「何の話なの?」と言われるような突っ込んだ内容ですけど・・・。(飛び交った専門用語については、下で解説します)
しまいには「
エースコンバットで使っていたために愛着がある」とか、F−4にまつわる思い出まで語る始末ですからね。これには
レクチャーしてくれたパイロットさんも苦笑いのような気が・・・。
出来るなら小1時間コックピットに居座っていたかったですけど、後続がつかえていることもあって、記念写真を撮ってもらい、終了。(風にあおられて変な髪形になっちまったぜい。 ま、
もともと1000円の床屋で切ってもらってるので、オシャレとは縁が無いけど。)
つかの間のパイロット体験でした。

エアーフェスタのレポートはまだ続きます。
次回は、ある「話題の機体」が登場予定です。飛行機好きの方は、お見逃し無く。
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戦闘機用語集※1 ラダー・ペダル 垂直尾翼にある「ラダー(舵)」を操作し、進行方向を変える装置。このような進路変更は「ヨーイング」と呼ばれ、機体を傾けて進路を変更する通常の「旋回」に比べ、旋回半径は大きくなる。
※2 水平儀 正式には、「人工水平儀」。機体の傾きを表示する計器。Wikipediaに写真が掲載されているので、こちらを参照してください。
※3 ハッド “Head Up Display”の略。戦闘時には、計器類に目を配る余裕は無い。そのために、標的を追いながら必要な情報(現在の速度や高度など)を得られるよう表示する装置。
※4 ロール角・ピッチ角 水平線に対し、機体がどれくらい左右に傾いているのかを表すのが「ロール角」。 機体がどれくらい上下に傾いているのかを表すのが「ピッチ角」。
※5 ミサイルシーカー ミサイルが標的を捉えているかを表示するカーソル。
※6 スロットル・レバー アフターバーナー/エア・ブレーキ 自動車で言うアクセルペダル。前後にスライドさせて加速・減速を行う。 急加速させたい場合はアフターバーナーを、急減速させたい場合はエア・ブレーキを使うが、自動車と同様、急激な加減速は燃費を悪化させる。
※7 フライ・バイ・ワイア “Fly By Wire” 操縦をアシストしてくれるコンピューターシステム。「翼の一部を損傷しても、最大限の安定性を保ったまま基地まで帰れる」と言ったメリットもあるが、「操縦桿を操作してから機体が実際にその動作に入るまで若干のタイムラグが生じてしまう」と言うデメリットもある。